プロフェッショナル仕事の流儀 2007年12月10日

前は良くこの番組を見ていたのですが、最近ではなかなか時間が合わず暫くは見ないでいました。たまたまきょうはお風呂に入るのが遅くなってしまい、寝る前にのんびりしながらテレビをつけたらやっていたのが、この番組。妻とともにしばし見入ってしまいました。

NHKの『プロフェッショナル 仕事の流儀』今日の主人公は、文化財修理技術者である鈴木裕さん。鈴木さんが手がけている文化財の修理は『紙』でかかれたもの。それは、絵画であったり、書であったりあるいは襖絵、書簡などなどとにかく多岐にわたります。

画家を目指していた彼が飛び込んだ世界が、京都にある修復の仕事。そこでは「仕事は体で覚えろ」というまさに職人の世界。技術は体に染み込みキャリアをつんで来たそうです。そこで感じた迷い。それは、これが実際にやりたかった仕事なのかということ。その仕事が単調であるからとか言う問題ではなく、頭で考えることなく、手先を機械的に動かし仕事をしている自分の問題でもあったわけです。

文化財と言うのは、見た目は同じように痛んでいてもその歴史や文化保存の状態で各々は似て非なるもの。つまりは、それらに対して機械的に仕事をしていくというのは本来ありえないはず。そのため彼が行うのは、まず紙の声を聞くこと。そのためにじっくりと向かい合い隅々まで観察する。

紙の文化財は、描かれている内容にとどまらず、紙自体が持つ当時の慣習・文化を含んでいる。紙の声をきちんと聞き取らないと、これらお情報に気が付かず修復の過程において抄出してしまう危険性がある。そのため、最新の顕微鏡をもちいて、観察したり、とにかくできるかぎりのことをして徹底的に調べ上げるそうです。

興味深いのが、その姿勢。卓越した技術をもっていたり、経験値をつんでしまうとつい起こるのがおごり。鈴木さんが大切にしているものとしてあるのが「習熟するな」ということ。常に新しい気持ちで臨み、考えながら手を動かすことでいい仕事をするように心がける。

もう一つ番組で気になったのキーワードが「ふにゃふにゃになる」ということ。常に高いレベルでの緊張を要求される仕事場。しかしながら、カチカチになっていてはいい仕事はできなくなってしまうもの。常に自然体でいながらにして、考えながら仕事をする。ある意味理想的なことだなあと思いました。

この仕事出もっとも大事なものは、「奥の深い技術」手先の技術や修復する為のスキルももちろん大事ですが、それだけでなく、文化財のもつ背景をきちんと受けて尾メルコとができる知識をもち且つ的確な腕を振るうことができるということ。これはなかなか難しいなあと言う思いもします。

修復の仕事は名を残す仕事ではなく、次世代へ伝えていく仕事。大事なのは個でなく、作品そのもの。そういった大きな流れの一部に自分がいるということを感じることで仕事をしていくというのは、個駑馬で語るよりもはるかに難しい仕事のような気がします。また一つプロフェッショナルな物の見方を教えてもらったような気がします。

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