『ガイアの夜明け』 現代アートの裏側 2007年10月26日

アートとはというほど私は造詣が深くないのですが、いぜん大学院にいたころ、ある知人と『美』の観賞について議論をしたことがあります。彼曰く、『美』はその裏側も知り、作者の思いをしり観賞してこそはじめてそのものの『美』を認識すると。私はこの意見には一理あるとは思いながらも、反対しました。

何をもって『美』とするかもそうですが、それは個人の感性の問題。感じたものをただ美しいと思う心にこそ価値があるのであって、それは作者の意図するものとは別の次元に存在していると。まあそんな感じなわけなので議論は平行線のままだったわけなのですが。(笑)

今日再放送の『ガイアの夜明け』:ニッポンの”美”を売れ〜沸騰する現代アートの裏側〜というのをみて、そんなことを思い出しました。いまもっとも熱い視線に注がれているのが「現代アート」その価値は将来への投資と言う側面も持ち合わせていて、単なるアート観賞のに域を超えてビジネスの側面を強く感じた内容になっていました。

取り上げられていたのは、サザビーズ。個人的にはこのサザビーの響きに違うものをつい思い出してしまうのですが、それは置いておいて、言わずと知れた、世界の2大オークションの一つ。その収集はお金になるものなら何でもで、メジャーリーグのホームランボールから、古代メソポタミアの遺跡そして現代アートと幅広い。

そんな中、今注目を集めているのがアジアの現代アート。そのためにサザビーズが出したのは、金沢21世紀美術館の初代館長を務め、現代アートの重鎮でもある蓑豊さんの副社長への抜擢だったのです。蓑さんのみたサザビーズのアジアの現代アートは中国一色。90年代からその価値が高まり始め、今では一枚億をの値がつくものが多数あるという。日本の現代アートの活性化には高値が付くアートが出てくることが必要だと語る。

奈良美智村上隆を世に出した小山登美夫。彼は、東京、江東区の貨物倉庫にギャラリーを構える。彼が手がける作品はブランドになるというのが、いまや定説になるほどで、若者たちから圧倒的な支持をあつめている。その彼が選んだ舞台は中国。いま中国の富裕層の間では、投資目的で現代アートに巨額のお金が流れ込んでいるといいます。小山さんはここで高値だけを目的にしているわけではなく、多くの人に見てもらえたり、長く作品を好きでいる人を求めているという。

日本でも現代アートが徐々に注目されつつある。景気回復とともに富裕層が現れだすと目はアートに向けられるのだとか。ある大阪のケーキ屋さんの店主は現代アートの青田買いとして有名で、店にある絵はどれも高値で取引されるものばかりだとか。彼曰く、「現代アートは、貯金」そういった形で現在アートを求める人たちも増えているといいます。

お金がないと美術は発展しないのかもしれません。強大な国力のもの庇護をうけて芸術が発展したのは世の習い。とするならば、富裕層がうまれてくるところでは芸術が発展するのは一つのあり方になってくるのは必然かもしれません。私個人にはちょっと違和感を覚えつつも、それでもそこに「美」を感じる。多くのことは一筋縄ではいかないことをよくよく知りながら、それぞれがある意味芸術発展のために尽力していると思えば、それはまた一理なのかもしれません。ただ単純に見て楽しむという立場が、いかに気が楽かというのをなんだか知った気がします。

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