入試問題を外注とは…。 2007年9月6日

各大学の入試問題。それは言わば大学の思想を反映しているともいえるのかなと私は思ってしまいます。受験生といえど、その大学へ行こうと決意しペーパー越しではあるけれども初めてその大学との接点を図る重要なもの。大学側からすれば、どのような学生を受け入れていくのかをはかる一つのバロメーターでもあるのかなと思います。

それなのになあとこの記事をみてちょっと思ってしまいました。毎日新聞の記事によると、今春の入試問題の作成を予備校など外部に委託した私立大学が、全国578校の12%、71校に上ることが、文部科学省の調査で分かったというのです。正直「えっ?」とこの記事を読んで思ってしまいました。しかも事もあろうに予備校に委託とは…。漏洩がないとしてもその大学側の姿勢には少しあきれてしまいます。

一部の科目を任せるケースが多いようなのですが、全科目の問題を作らせた大学も18校あったといいます。予備校関係者によると作成費は1科目当たり数十万〜200万円。背景には、近年の入試多様化に加え、大学側の問題作成能力が十分でないという事情もあるようだ。同省は全大学に「試験問題は大学自らが作るのが基本。外部委託は社会的な疑念を招きかねない」と“自粛”を求める通知を出した。文科省の通達は当たり前のように思えるのですがなんなのでしょう。

外部委託そのものは法律に触れないようなのですが、根本的にそういう問題ではないとおもいます。ちなみに国立大学では委託はゼロとなっているようですが、こういう数字を見てみるとちょっと分からないですよね。良質な問題を作れるというのは、それは大学側の力量にもつながるものだと思います。確かに人材不足であったりなにかと時間がかかる面も考えると大変なことだと思いますがそれをやるのが大学側の使命だと思うのです。

実際大手の代ゼミでは02年より大学入試の問題作成を公式に請け負っているといいます。これからの大学全入時代を控えて、入試そのものも多様化し少しでも学生を確保しようとしている動きがあることから、需要があるものと見込んでいるとしているようです。

その他いくつかの予備校なども参加しているようで、実際にはが移駐しているのは12%よりも多いかもしれないということです。問題なのは大学の作成能力の欠如そのものですが、それとは別に問題自体の質が保たれなくなっているという。

こういったことを思うと、外注していたり質をきちんと保てなくなるあたりが、淘汰されてしまうのではないのかなと思います。それは資金面や経営状態ということではなく、大学そのものの存在意義に関わることにもつながると思います。とはいえ実質的には外注の流れは止まらないようです。そこまで情報を仕入れて学生に判断させるのはちょっと難しいですよね。

何のための大学なのか、それだけは受験生がきちんと考え自らの意思でしっかりと選択していって欲しいなあと思うほかないです。
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