マイクロスケール実験〜化学実験の可能性 2007年8月28日

皆既月食見られた人もいたかと思うと、ちょっと羨ましいですね。ネットではいくつか流れていたのを見たのですが、私もこの目でみたかったなあというのが、率直な感想です。こういうのを見ることがきっかけで、理科に関心をもってくれたらいいのになあなんて思います。

そう、人は口で言われたり写真で見ただけでは良く分からないことが多いと思います。とくに、理科はイメージを持つことや実際にその目でみて確かめるという行為が非常に大事なのだと思います。塾でお手伝いしていてもそのあたりがなかなか難しいなあと言うのを感じています。

最近はゆとり教育の影響なのか、実験回数が減らされているというのを聞いたことがあります。教科書に載っているもののうちいくつかだけ取り上げて後はプリントなどで対応というのを聞いたときちょっと唖然としました。本質的なものがだんだんと奪われていっているような気がします。

そんな中、見つけたのが今回の毎日新聞の記事。これは私も知らなかったことなのですが、マイクロスケール実験と言うのがにわかに広がり始めているというのです。何かと言うと、化学実験を小さな装置でなるべく少ない試薬を使って行うものだそうです。そのため、実験で出る廃棄物の量を大幅に減らすことができ、有害物質を扱うときでも量がわずかなので危険が少ない。これはかなりのメリットですよね。

例えば水素を発生させる実験の場合、これまでは、三角フラスコに入れた亜鉛の粒に塩酸をたらして、発生した気体を水槽に導いて試験管などで集気する方法があります。これをマイクロスケール実験で行うと、亜鉛をいれた試験管に注射器を2本差して片方の注射器から微量の塩酸を注入、もう片方の注射器で発生した水素を吸入するだけと言うかなりシンプルなもの。

国際基督教大で今月行われた教員向け研修会では、マイクロスケール実験の第一人者である、オーストリアグラーツ大のビクター・オーベンドラウフ教授が、微量のアセチレンガスを手のひらで爆発させる実験を披露したそうです。こんなこともできるのがこのマイクロスケール実験の特徴といえるかもしれません。

日本化学会によるとマイクロスケール実験普及を担当する荻野和子・東北大名誉教授(無機化学)は「実験によっては廃棄物が従来の100分の1程度に減らせることができる。準備や後片付けの手間も少ない。実験が削られがちな高校でも、マイクロスケール実験で化学実験の楽しさを味わってほしい」とのこと。

まさにそのとおりかなと思います。危険がないわけではないですが、今までよりも手軽にできることになったので、実験回数を増やすことができると思います。実際に授業で聞いていても良く分からないところをより沢山の実験を行うことで少しでも理解を深めてもらえたらなあと思います。

===こちらもよろしく===

無料アクセスアップ:オートリンクネットリンクが自動で増殖オートリンクの登録はこちらさくらの徒然日記
新しいライフスタイル
Active-LIFE